2005年08月20日

jus関西UNIX研究会に行って来た

jus関西UNIX研究会に行って来た。jusの研究会にいくのは初めて。
20数人くらい?と意外とこじんまりしてた。

 第122回jus関西UNIX研究会
 http://www.jus.or.jp/kenkyukai/kansai/05-08.txt

こないだのLILOで2次会にいった2人も来ていて休憩時間にはLinuxな話をした。

懇親会でもいろいろ。
なかなか、ネットワークやシステム管理などの重要性がわかっている人がすくない。
お金を出したがらない。企業はともかく学校などはださない、などの話も。

研究会のお話を気になったところだけメモ
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1. 大学でのコンピュータリテラシー教育とその諸問題
     鳥取環境大学 齊藤 明紀

大学で情報リテラシー教育をされているお話。

コンピュータを使えないと大学生活ができないため、落ちこぼれなく全員をあるレベル以上にせよ、というプレッシャーがある。

当初、リテラシー教育は操作教育に偏らずに情報倫理などをしっかりしろと。
現状、実技を確実に見につけさせろ。一方で情報リテラシー重視も。

コンピュータ実技は、通常の講義と違い、全員合格レベルにしないと他の講義に差し障る。
最低レベルの学生をターゲットに科目設計

PC実技は、十分な練習が必要。
鳥取大学では個人が常時ノートPCを持ち歩く
1コマ×28週(他の大学の2倍)
自学自習スタイル(先生は聞かれた場合だけ答える)

落ちこぼれ対策
素早く見つけて対応。期末試験なし。
毎回課題を出して、次の週の講義に結果を出す。

ノートPCを大学で1機種指定、まとめて購入。
リカバリCD/DVDを大学で用意。
最初の演習でリカバリのやり方を教える。

学生のレベルの差
PC経験度の分布が上に伸びたのに、下はそのまま
経験者の偏った知識。Excelは完璧だがPowerPointは知らないなど
上級クラスを作ることは無理。

高校の情報教育は、高校によってまちまち
情報A,B,Cのどれか1つを教えればいい
→あてにならない
高校の教科情報はまだ安定していない。

能力別クラス分けは難しい。
伸び方が違う。カリキュラムの用意が大変。

選択授業だと、本当に必要な学生が受講するか?
卒業に不要だととらない。
学生の自分の技量への自己評価は、しばしば誤り。できる「つもり」

2006年対策
通常課題と発展課題にわける。経験者は発展課題に取り組む
通常課題の最高点が90点。発展課題ができて100点

補習クラスをつくる?
高校の情報Aの実技相当。情報処理1と平行して開講
少数のために全体のレベルを下げているのを少し改善
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(感想)
経験者と未経験者の差が開いているらしい。
1割のユーザが9割のコストを発生させるという法則(だったかな?)がここにもあるみたい。

出来のいい学生と出来の悪い学生が同じ授業料を払うのは不公平な気もする。
誰でもできるようになるといえば自動車教習所モデルとか。
自動車教習所のように、追加教習には別料金を徴収できれば、学生も必死になるかもなあ。
でも制度的に難しいんだろうなあ。
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2. 高度 IT 技術者養成を目指す専門職大学院,神戸情報大学院大学について
神戸情報大学院大学 助教授(実務家専任) 小島 三弘


専門職大学院は、法科大学院や、会計大学院、経営系などがある。
専門職大学院は、概ね5年以上の実務経験を持つ実務家教員が教員の3割以上必要。

神戸情報大学院大学(略称KIC)
http://www.kic.ac.jp/
情報技術研究科 情報システム専攻のみ
定員40名で第一期生は現在17名。(他に2名は休学中)
内訳は社会人:学生=1:2
情報科学やプログラムに関する知識レベルがバラバラのため、各種補講。
社会人はモチベーション高いが、学卒者は。。。

理想と現実のギャップ
理想:
OSSを使って、ソースコードの中身のわかる技術者を育てたい。OSSのプロジェクトを興せるひとがでれば。
現実:
OSSよりもネットワークやマネジメントに関する関心が高い。

実務家教員のメリットは実務的な知識を伝えられる。
デメリットは大学に不在がちでコミュニケーションがとりにくい。
遠隔教育(e-Learning)が必要→CMS環境の整備中

「高度職業人養成」のためのカリキュラムはどのようなものであるべきか?
教員の中で意見は一致していない。
PBLやプロジェクト管理などの課題をどうあつかうか?

最終的には修了者をいかに就職させるか。
実務家教員的には、自社で採用したい学生を育てることが目標。
(質疑応答)
齊藤さんのグループ評価方法
まず、評価を全員に均等にわける
メンバーで相対評価
ボーナスを分けるとしたらという想定で、自分以外を評価。
同じ金額をつくっちゃいけない。
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(感想)
小島さんは Plamo Linux を作っている人ってイメージなんだけど、IT構築の会社に勤めながら神戸情報大学院大学ではOSS分野の実務専任教員をされているとか。

KICのカリキュラムをみて、結構いいなあと思っていたので、19名しかあつまらなかったのは意外。
小島さんのようにLinuxの専門家がいるのに、OSSに関心が薄いって人が多いのはもったいないよ。
Plamoのプロジェクトマネジメントとか聞けたらおもしろそうなのに。
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3. ネットワーク技術者初級養成ギブス
株式会社イーサポート 高木 宏

中小企業なので求人を出してもネットワーク技術者は来ない。
ネットワーク技術者の卵を雇って養成する。

ネットワークエンジニアって?
定義と担当範囲があやふや。
○サーバー系を除くインフラ層の仕事。
 小細工系(NAT,QoS,Load balancing)も必要
 IPSec VPN (NetScreenだから)
 SNMPと仲良く
○サーバー構築は(うちでは)しません
 でも基本プロコトルの知識は必須
 認証サーバー(LDAP,Radius)構築は結構ある
○ログ解析(障害解析、レポート作成)
 System log, event logがともだち

必要なスキル
○最低限CCNA程度のネットワーキングの知識。
○主要ベンダー機器に関する知識(調査・検証能力)
○UNIXの基本コマンド(スクリプトが組める)
○顧客対応能力。接客能力

必要なスキル:算数
 加減乗除の暗算能力など
 要求レベル:中学の数学の内容をマスター+高校数学の命題と論証、確率
 推薦図書:
  山下正男「論理的に考えること」(岩波ジュニア新書)
  市川伸一「考えることの科学」(中央新書)
  畑村洋太郎「直観でわかる数学」(岩波書店)
  「分散分析法入門」(日科技連)

困ったことに
 ○算数と論理的な思考と読書力があればIPネットワーキングはすぐ答えられるのだができてない。
 ○英語のマニュアル・サイトを読みません
 ○本はまったく読みません
 ○1970年前半生まれあたりからやばい
 ○お客様(技術者)の技術水準が。。。

特訓基本(1)
○まず、ハードウェアの障害対応窓口→接客の基本
○NetScreen "Concepts & Example"の実機演習
○メールによる技術Q&Aを担当させる
 調査回答。実機による検証も必要。→半年くらい担当させるとおぼえてくる。

特訓基本(2)
○運用監視サービス顧客への対応
 ちゃんとした会社は量的な分析依頼してくる。ログ解析にスクリプトが必要になる。

特訓基本(3)
本を積んでおく
 Interconnections 第2版
 CISCOルータによるIPネットワーク管理
 TCP/IP illustrated(これかなあ?)
 入門SNMP、SNMPネットワーク管理ツール
 たのしいUNIX

特訓・企画部編
○サービス企画チームをつくった。
 サービス用の企画書作成、サービス用のプログラム作成、サポートサイトのメンテナンス
○運用監視チームのサービス仕様書を作成させる。
○要求仕様の抽出・SLAの設定
○コストの設定/コストからのサービス内容の決定
本を積んでおく
 UNIXプログラミング環境
 ユースケースの適用:実践ガイド
 要求仕様の探検学ー設計に先立つ品質の作り込み
 Ruby本をたくさん
 日本語の作文技術
 新明解国語辞典

ではどうしていくべきか
○それでも基礎力が大事
○バイト・インターシップからじっくり育成も戦略

小言集
○イベントが起こったら時刻を記録しろ。
 お客さんからの突発電話で記録していない
○今日出来ること、やらなければならないことを先にのばすな
 配線する前にケーブルの両端にタグを打てなど
○reachabiltyは手前から確認しなさい。
○普段から量的データを覚えておきなさい
 顧客Aのログは一日に20万行
○メールを送る前にもう一度音読して読み返しなさい
○ソースはコメントから書きなさい
○他人の作業を信用するな、自分で確かめろ
○調査は必ず「本家」からオーソドックスに
○本番データを使う前にテストデータを流しなさい

最後に
ネットワーク技術者は供給がどんどん減っているようだ。
ネットワークエンジニアを最初から志向する人が多くなっており、他のことを知らない人が多い。
理想は他のIT業界の他分野を経験しているネットワークエンジニア。あるいは昔のroot経験者。
ネットワーク技術者が再生産されるには、ネットワーク管理運用にお金を払うようになることが最重要。
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(感想)
ネットワークエンジニアの守備範囲の広さは半端じゃないなあ。
全部できたらスーパーマンだろうと思うけど。
暗算を重視しているところは意外。
数学や論理的な能力はどんな仕事でもバックボーンとして必要かも。
本を読みましょうというのは同意。私は本は読むけど応用力が乏しいんだよねえ。
いろいろ勉強になりました。

posted by 端っこなひと at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | セミナー・勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
ぐぐったら出ちゃいましたので記念に一言。

メモってますね...感服。
んじゃ、また。rss 登録しときます♪。
Posted by さとう at 2005年08月24日 01:38
あれ?ばれちゃいましたか。
本当はきちんと消化したうえで、まとめを載せればいいんでしょうけど、そうするとなかなかアップできなかったりするので、メモ集になっちゃってます。
Posted by 端っこなひと at 2005年08月26日 01:51
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