2005年05月11日

マイノリティ・リポート

この間図書館で借りて読んだ「マイノリティ・リポート」についてのメモ。

ISBN4-15-011278-9
著者:フィリップ・K・ディック
翻訳:朝倉久志ほか
出版社:株式会社早川書房

1冊に中短編7編が収録されている
  • マイノリティ・リポート (The Minority Report)

  • ジェイムズ・P・クロウ (James P. Crow)

  • 世界をわが手に (The Trouble with Bubbles)

  • 水蜘蛛計画 (Waterspider)

  • 安定社会 (Stability)

  • 火星潜入 (The Crystal Crypt)

  • 追憶売ります (We Can Remember It for You Wholesale)


映画化されたのは「マイノリティ・リポート」と「追憶売ります」(映画タイトル:トータルリコール)
どちらも原作と映画で話が違いすぎる。マイノリティなんて主人公が違うし。



●マイノリティ・リポート
 3人の予知能力者(プレコグ)によって殺人が予知される社会。犯罪予防局の長官が自分が殺人を犯すという警報を見て逃げ出す。
 3人のプレコグのレポートがすべてマイノリティレポートだったことがわかり...

雑感:予知能力者が殺人を予知して防ぐ、というアイデアはこの人らしい。マイノリティレポートの意味は映画よりも小説の方が発想は面白い。少々お話をこねくりまわしすぎだけど。


●ジェイムズ・P・クロウ
 ロボットが支配する世界。ロボットが人間をつくったと信じられている。ロボットが得意なテストによってロボットも人もランクわけされる。
 タイムウィンドウを手に入れた男は、カンニングによってテストを突破していき、最高のポストへたどりついて...

雑感:
ディックにはめずらしく最後がストレートな感じだった。作品の端々に公民権運動の盛んだった時代の雰囲気が感じられる。

●世界をわが手に
 閉塞した社会で透明な玉の中で宇宙を育てるゲームが流行していたが...

雑感:こちらのラストの示唆は、予想通りで物足りない。

●水蜘蛛計画
 宇宙航行の問題で行き詰まった未来の人間が、プレコグの力を借りようとタイムマシンで1954年の世界SF大会へやってきて、未来へ誘拐するが...

雑感:解説によると世界SF大会は本当に行われたものらしい。登場するSF作家達もみんな本物とか。


●安定社会
 衰退を恐れ、人工的に安定化された社会。ガラス玉にあやつられた男はタイムトラベルにより安定の仕組みをすり抜けて...

雑感:作家になる前に書いた作品らしい。ブラックな終わり方が印象的だが、いまひとつ切れが感じられない。

●火星を飛び立つ最後の船に乗り込んだ青年。地球への航行中、地球側の3人の破壊工作員は工作活動を話し始める。

雑感:都市を閉じ込めるところとか、リアリティに欠けるんだけど。いつもと違うひねり方をしてみましたって感じだろうか。


●追憶売ります
 日常に退屈し、秘密捜査官として火星にのりこむという人工記憶を埋め込んでもらうサービスを申し込んだ男。しかし、記憶を消した本物の秘密捜査官だったことがわかり...

雑感:同じパターンを2度繰り返したことで、プロットがより生きてきている。7編の中では一番すっきりしている。

映画マイノリティ・リポート
http://www.foxjapan.com/movies/minority/

goo映画 トータル・リコール
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD6292/

posted by 端っこなひと at 23:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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